壁となって進む護衛船
サワディーカ。@yayoiです。
この記事は2019年12月12日にメインブログ
『タイのお寺に魅せられて』にて公開した記事を
編集しこちらに転記しました。
前回のブログでは、私と御座船の出会いと
普段、御座船が保管されている場所である
王室御座船国立博物館について
書きました。
52隻ともなるパレード。
4隻の御座船以外はすべて護衛船。
今回は、その護衛船の簡単な役割を2019年
9/25~10/31までiconsiamにて公開されていた
王室御座船展示会「Art Afloat」の展示物として
使われていた船の模型を使って
ご紹介してみたいと思います。
二か所に分かれていた展示場!
チャオプラヤー川の
のショッピングモールiconsiam。
船着場から中に入ると
すぐに展示場の案内板がありました。
1階と書かれているので、上に上がると
まずは船の大きな模型がありました。
ここが展示場かと思ったのですが、
その階は1階ではなかったので、
案内の人にきいたらもう1つ上のフロアーと
いうことで行ってみました。
展示場というより空いているスペースを
利用して展示が行われている感じです。
写真がたくさん飾られていました。
船員のユニフォーム。
映像での紹介。
説明書きがないので船の何を表すのかは
よくわからなかった展示。
金銀のオール。
デパートの中の無料の展示場ってきれいだけど
こんなものなのか…とちょっとがっかりしながら
会場を去り、家に帰って腑に落ちない気分で
写真を整理してみると…
1番下に、52隻のモデルがM階にあると
書いてありました!
確かに無料とはいえ…少なすぎる展示でした。
期待はできないけれど見逃したので、
後日もう1度見に行ってみました。
この通路をぬけると…
なぜか高級ブランド店の間の通路に、船の模型!
パレードはこうして行われる!
パレードは5列で進むようです。
前回のブログに書いた王室御座船国立博物館にも
このような図がありましたが、
パレードで進む御座船と護衛船は
配置と間隔が決まっているようです。
海軍なので厳しく決めてあるのでしょう。
とにかく横に長々と続くのですが、
おもしろそうなので
写真に撮ったものを私が図にしてみました。
両外側から、outer 2列、middle 2列
そして中央innerの5列です。
外側から、この図の番号ごとにそれぞれの
護衛船の簡単な役割をご紹介してみようと
思います。
外側で壁を作る護衛船たち!
(●の1~21)
เรือดั้ง(Dang Barge)
1番外側は護衛船でぎっしり壁を作っている
感じです。
Dangとは国王の防衛、周遊船隊のことで
21隻あります。
真ん中に家のようなものがある長さ27.36mの船です。
(●の22)
เรือดั้งทอง(Dang Barge No.22
Dang Pid Thong Teub Barge)
Dang Barge の一種で
金が塗ってある長さ26.23mの船が1隻。
Thongとは金のことです。
(〇グレーの1~7)
เรือแซง(Saeng Barge)
パレードの最後の方で、外側にいる船で、
辞書をみるとSaengには
警戒するという意味もあります
22.12mの船で、全部で7隻。
7隻目は1番中央の御座船の列の
最後尾に付くようです。
御座船の真横にいる戦艦たち!
5列の両端には壁を作るように護衛船が
並びますが、
その内側、つまり中央の御座船と、
壁になる護衛船の中間にいるのは
いわゆる戦艦として使われた船です。
(□の1と2)
เรือทองขวานฟ้า(Thong Khwan Fa Barge)
เรือทองบ้าบี่น (Thong Ba Bin Barge)
まずは先導する2隻。
これらの船は真ん中に日よけがついている
32.08mの長さの船です。
Thong Khwan Fa Barge
アユタヤ時代は御座船としても使われたようで
ラッタナコーシン朝になってからは
Thong Ba Bin Bargeとあわせて
対で先導する船となりました。
Thong Ba Bin Barge
(□の3と4)
เรือเสือทยานชล
(Sua Thayan Chon Barge)
เรือเสือคำรณสินธุ์
(Sua Khamron Sin Barge)
その後ろに付く2隻は
KingRamaⅠの時代に作られた船で
軍隊の船で戦艦ともいわれる役割を
果たし、当時は対で6隻あったようですが、
朽ちてなくなっていったようです
それぞれ長さは22.23m。
Sua Thayan Chon Barge
Sua Khamron Sin Barge
以上の先導する4隻の後ろには、
2隻づつ対で、中央を挟む形で5対の船が
並びます。
動物の形などの装飾を船首につけた船で、
これらの動物は、古代インドの叙事詩
「ラーマーヤナ」のタイ版
『ラーマキエン』の中にでてくる動物や
魔神をかたどったものです。
すべての船はもとは
KingRamaⅠの時代に作られたものです。
1対目。(□の5 と6)
เรืออสุรวายุภักษ์
(Asura Wayuphak Barge)
เรืออสุรปักษี(Asura Paksi Barge)
長さが31mで、船首は上半身が鬼で
下半身が鳥の魔神の装飾です。
Asura Wayuphak Barge
→ 実物が王室御座船国立博物館にあります。
Asura Paksi Barge
2対目。(□の7 と8)
เรือกระบี่ปราบเมืองมาร
(Krabi Prab Muang Marn Barge)
เรือกระบี่ราญรอนราพณ์
(Krabi Ran Ron Rap Barge)
両方とも長さは28.85m。
Krabi Prab Muang Marn Barge
船首はハヌマーンという白いサル。
→ 実物が王室御座船国立博物館にあります。
Krabi Ran Ron Rap Barge
船首はニラパットという黒いサル。
3対目。(□の9 と10 )
เรือพาลีรั้งทวีป
(Phali Rang Thawip Barge)
เรือสุครัพครองเมือง
(Sukhrip Khrong Muang Barge)
両方とも長さが27.54m。
Phali Rang Thawip Barge
船首はパーリ―という緑のサル。
Sukhrip Khrong Muang Barge
船首はスクリープ(パーリ―の弟)という
茶色のサル。
4対目。(□の11 と12 )
เรือครุฑเตรวจไตรจักร
(Khrut Tret Traichak Barge)
เรือครุฑเหินเห็จ
(Khrut Hoen Het Barge)
両方とも長さが28.58m。
船首はどちらもナーガ(ヘビの神様)を
つかむガルーダ。
Khrut Tret Traichak Barge
Khrut Hoen Het Barge
→ 実物が王室御座船国立博物館にあります。
展示模型と王室御座船国立博物館では、
英語表記が若干違います。
最後の5対目。(□の11 と12 )
เรือเอกชัยเหินหาว
(Ekkachai Hoen Hao Barge)
เรือครุฑเหินเห็จ
(Ekkachai Lao Thong Barge)
両方とも長さが29.76mで、船首は
すきの曲がった柄の部分のような形で、
龍のような絵が描かれています。
Ekkachai Hoen Hao Barge
→ 実物が王室御座船国立博物館にあります。
Ekkachai Lao Thong Barge
中央で御座船の前後に並ぶ船!
さて、いよいよ一番中央の列に並び
御座船とともに、御座船の前後を行く
護衛船ですが、全部で6隻あります。
(◇の1)
เรือกลองนอก
( Drum Barge E-Luang )
長さ24.25m。
(◇の2)
เรือกลองใน
( Drum Barge Tang-Mo)
二つの御座船の間につく船で、長さ25m。
これらの2隻は、一番上の士官と
6人のクラリネットと太鼓の奏者が乗る船です。
また、Drum Barge E-Luangのすぐ後ろには
警察の船が並びます。
(台形グレーの1)
เรือตำรวจ1 (Police Barge1)
長さ20.97m。
(台形グレーの2)
เรือตำรวจ2 (Police Barge2)
長さ21.08m。
(台形グレーの3)
เรือตำรวจ3 (Police Barge3)
4隻の御座船のすぐ後ろにつく船。
その後ろには
เรือแซง(Saeng Barge)の7隻目が並び
(丸形グレーの7)
この船がパレードの最後となります。
ところで、これだけの模型。
普段はどこにあるの?と近くにいる
職員にきいてみたら...
サムットプラカーン県の方かな?という
返事がかえってきました。
さて、この次は
御座船についてご紹介したいと思います。
ご訪問いただきありがとうございました。
@yayoi