タイと私と仏教と ~タイのお寺・神社・博物館から~

タイのお寺を通して広くタイ人の信仰を研究中

仏教に帰依するヒンドゥー教の神々!9神が集まる交差点(2)

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ラーチャプラソン8神+1 バンコク

 

 サワディーカ。

@yayoiです。

 

ヒンドゥー教の神々9神が集まる交差点!(1)

の続きです。

ここからはファミリーではなく、

単独でいらっしゃる神様です。

 

 

 

 

四天王

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ゲーソンプラザ4階の

屋外庭園のような所に祀られている

ラクシュミーの横にもう1つ

祀られているのは、4つのお顔を持つ

四天王です。

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こちらに関しては案内板などがなく、

設置された時期など

詳しいことはわかりませんが、

四天王をネットで調べてみたら、

それぞれ守っている

神様の名前はわかりました。

東はท้าวธตรฐ (ターウタタロット)

南はท้าววิรุฬหก (ターウウィルンホック)

西はท้าววิรูปักษ์ (ターウウィル―パック)

北はท้าวกุเวร (ターウクウェーン)

です。

 

一方、仏教辞典で仏教の中に出てくる

四天王を調べてみました。

四天王とは仏教の世界観の中に存在する

須弥山中腹の四方を居所として

帝釈天につかえる、

須弥檀の四方に安置される4つの天で、

東は持国天、南は増長天

西は広目天、北は多聞天

とあります。

 

写真の後ろにグランドハイアットエラワンホテルが

写っているのでそちらが南側だとすると…

北を向いているのはこちらのお顔。

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南側を向いているのはこちらのお顔。

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東を向いているのはこちら。

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西を向いているのはこちら。

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それぞれが武器を持っています。

 

 

インドラ神

 

「幸せと繁栄をお祈りする」

 

インドラ神は忉利天(とうりてん)で最も偉大で、

世界を災いから守ってくれる神様です。

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忉利天とは、三十三天と漢訳され、

インド、仏教の世界観にある

須弥山の頂上にあるとされています。

ここにインドラ神は住み、その四方に峰があり、

峰ごとに八天があり、そこに先ほどの四天王がいて、

32天+インドラ神で

三十三天(三十三神)となるわけです。

 

1000もの目を持ち、信じるものは悪から正を

見分けるサードアイを得られ、善悪を見分け

よい行いをすれば、成功への道が開けると

されています。

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☞ 大乗仏教では、インドラ神は

  “ 帝釈天 ” として取り入れられています。

  仏教にとりいれられてからは護法の神様となり、

  アシュラと戦いこれを降し、悪行を懲らしめる

  威徳ある神様です。

 

  

ブラフマー

 

「人生の成功、健康と繁栄をお祈りする」

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ブラフマー神は四方全体を見渡すために

4つの顔を持ち、各方角で武器やアイテムを

持っています。

人間世界と天を見守り、困難や障害を祓い、

運と成功をもたらす神様です。

 

☞ 大乗仏教では、ブラフマー神は

  帝釈天と並ぶ諸天の長である

  “ 梵天 ” として取り入れられています。

 

この人気の神社、日本語通称エラワンの祠は、

1955年にグランドハイアットエラワンホテルを

建てた会社 The Union Of Thaihotel and Tourisumが

ホテルをオープンしたので、吉祥が増えるようにと

建てたものです。

 

占いで、ホテルの基底石が正しくないので、

縁起がよくないということで、

ここにブラフマー神を祀る祠と、

サーン・プラプームを建てることに

なったそうです。

ホテルのサーン・プラプームはホテルをはさんで

エラワンの祠と逆側にあります。

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BTSスカイトレインの下の通り

ここを通るだけで楽器の音が聞こえて来ます。

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入り口です。

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こちらに安置されているブラフマー神の像は、

彫刻家がデザインしたもので

しっくいに金を貼ったブラフマーの像を

招来したそうです。

 

向かって右下が入口からはいってみえる

正面のお顔です。

入り口の正面のお顔を右下として、

時計回りと逆に歩いて見えたお顔の

写真を配置してみました。

右下(正面)→ 右上→

左上(後方)→ 左下の順です。

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寄進されたお布施は仏教寺院の病院に

寄付されるそうです。

訪れる人が世界中からどんどん増えています。

 

 2009年7月撮影

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 2018年11月撮影 

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2020年3月撮影  

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3月に撮った写真は、旅行者が減った時期

だったのでほとんど人がいません。

 

タイの建物に必ずある

サーン・プラプームに祀られているのは、

四方を見渡せる

ブラフマー神が多いそうです。

 

前回、このエラワン祠の名称について、また

サーン・プラプームについて、

メインブログで書いたの

よろしければ、参考にお読みください。

www.yayoi-thainootera.net 

 

最後になりましたが、この

ラーチャプラソン交差点に

いらっしゃる神様の

ご利益一覧表を作りました。 

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6番目の四天王の神社は、案内板などないので

タイ語の名称は、私が書いたものなので( )を

つけました。

 

 

< ラーチャプラソン交差点 >

 

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タイ語 สี่แยกราชประสงค์

    (シーイェークラーチャプラソン

    ย่านราชประสงค์

             (ヤーンラーチャプラソン

    シーイェークとは四つ角、交差点。

     ヤーンは地区を表すタイ語です。

   

   

今回の記事は、(1)(2)とも

神社の近くにある案内板を

参考にしました。

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参考図書:

岩波仏教辞典

タイ文化ハンドブック(勁草書房

いちばんわかりやすいインド神話実業之日本社

  

お読みいただきありがとうございました。

@yayoi