タイと私と仏教と ~タイのお寺・神社・博物館から~

タイのお寺を通して広くタイ人の信仰を研究中

【タイの王宮】寺院内にも国王宮殿があった?!

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ワット・ボウォン二ウェート バンコク

 

サワディーカー。

@yayoiです。

 

前回の記事では、現在では博物館になった

アユタヤにあった前宮(副王宮)の記事を

書きましたが、今回は寺院内にある宮殿について

書いていきます。

 

その宮殿がある寺院とは、

王宮とドゥシット地区の中間あたりにあるお寺、

ワット・ボウォン二ウェート。

このお寺についてはメインブログの方に

書いています。

www.yayoi-thainootera.net

 

このお寺はラッタナコーシン朝の

国王や王族方が出家されているお寺で、

お寺の記事を書くにあたり、調べていくうちに

寺院の一角に、国王が出家中に滞在された

お住まいもあるということがわかりました。

 

寺院内にあるので宮殿と呼んでいいのかはわかりませんが、

今回のブログでは、お寺ブログとは別にして、

寺院内の国王の出家中のお住まいの部分

“ 宮殿 ” だけをとりあげてみようと思います。

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上の図はワット・ボウォン二ウェートの全景図。

大きな敷地をもつ、寺院の一角にその宮殿部分は

集まっています。

敷地内の離れた場所にも王妃が王子のために私費で建てた

という宮殿がありますが、あとはこの一角に集まっていて

歩きながら外から眺めることができます。

 

 

 

 

見取り図を作ってみました。

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歩き始めは、門のある位置の前です。

その入り口です。

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入り口にある表札のようなものに書いてあるのは、

カナ・タムナック(คณะตำหนัก)という文字で、

カナとは部、群、団体などを意味する言葉で、

タムナックとは宮殿、宮廷や高貴な方の家を

表す言葉です。

これからでてくる建物の名前にはプラという

王室語の接頭語がついたプラ・タムナックという

名称がついているものがほとんどです。

各名称はワット・ボウォン二ウェートのサイトを

参考にしています。

 

 

プラ・タムナックソンプロット(①)

พระตำหนักทรงพรต

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門を入って右手側にあります。

KingRamaⅤの時代に建てられ、KingRamaⅦの

時代に建て替えられたもの。

王や王子が出家する際、しきたりに沿い、

プラ・タムナックパンヤー(④)にて一泊してから、

ここに住むそうで、KingRamaⅨも1956年に

こちらにて出家されていたそうです。

建物入り口部分です。

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建物の裏側部分です。

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ホー・サハジョン(②)

หอสหจร

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門を入って、左手側にある建物で、

①とともに建てられ、同じく

KingRamaⅦの時代に建て替えられたもの。

ホーとは、楼、館、邸宅の意味です。

タイ語では学生の寮などにもホーが使われます。)

 

現在でも王族の出家などの際に使われている建物です。

建物入り口部分です。

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2階部分にジーウォン(จีวร 僧衣、法衣のこと)が

干してあるのが見えます。

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お寺部分との間にある溝沿いに建っています。

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プラ・タムナックヤイ(③)

 พระตำหนักใหญ่

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プラ・タムナックドゥ―ム

(พระตำหนักเดิม)ともいいます。

サーラーが設置されていて、全景が見えないのが

残念です…

KingRamaⅨが住職としてこのお寺に

いらっしゃったころに建てられ、その後、

お住まいになっていた建物です。

 

 

プラ・タムナックパンヤー(④)

พระตำหนักปั้นหย่า

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正面には木があり、全景が撮れませんが、

古い王宮から移築されたものだそうで、

KingRamaⅨが出家当時にお住まいになり、その後も

王や王族の出家時や、こちらにお出ましになった際に

滞在されたお住まいです。中には仏間、寝室、本を

書くためのお部屋があるそうです。

横の通路から撮りました。

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国王の休憩所(⑤) 

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④の裏手にあるのは、一見サーラー(あずまや、

休憩所のこと)にみえますが、

名称は、パラップパラー(พลับพลา)とあり、

その意味はサーラーと同じ休憩所ですが、

国王のためのサーラーを表します。

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もとはKingRamaⅨのお母様のために建てられた

もので、王宮内にあったものが移築されたようです。

 

 

プラ・タムナックジャン(⑥)

พระตำหนักจันทร์

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チャンタラ―サラッタワーン(จันทราสรัทวาร)王妃が

私費で建て、1905年に王子(KingRamaⅤのご子息)に

献上されたものだそうです。

横から撮りました。

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家の前に設置されているのは、王子が休憩された

時に使われた石の椅子だそうです。

撮った写真を拡大してみました。

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プラ・タムナックサーイ(⑦)

 พระตำหนักซ้าย

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②と、プラ・タムナックペット(⑧)の間に

建っていて、前から写真を撮ったつもりが、

ピントが葉っぱにあたっていました。

後方に見えるのがプラ・タムナックサーイです。

 

KingRamaⅤの時に作られたこの建物は、王子の仕事場と

して使われていたそうで、10年くらい前に修復されたもの。

②の隣に建っています。溝の方から撮りました。

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プラ・タムナックペット(⑧)

 พระตำหนักเพชร

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1914年にKingRamaⅥが建てたもので、

KingRamaⅣが出家されていた時に、貝葉にお書きに

なったお経などを印刷するための場所として、かつて

使われていた建物です。

中にはKingRamaⅣの等身大の像などがあるようです。

この記事のカバー写真はこの宮殿です。

 

別角度から撮ったものを拡大してみました。

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溝の方から撮りました。

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タイには、王宮GrandPalaceのほかに、タイ各地に前宮、

後宮離宮やその名残のものがありますが、今回は

寺院内にある国王の宮殿に焦点をあてて

http://www.watbowon.com/を参考にして書きました。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

@yayoi