タイと私と仏教と ~タイのお寺・神社・博物館から~

タイのお寺を通して広くタイ人の信仰を研究中

KingramaⅣとKingramaⅤに所縁深い公園の中にある神社

サーン・ジャウメータキアントーン バンコク

 

サワディーカー。

Luna(流転那)です。

 

以前、ワット・ラーチャプラディットという

KingramaⅣを祀ったお寺を参拝した時に

仏塔の近くに立って、周囲を見回してみたら、

中国様式の建物が視界に入りました。

 

神社かな?とGoogleMapで調べたら、

Chao Mae Takhian Thong Shrine

とありました。

タキアンの木に宿る精霊を祀った

神社です。

 

サラーンロム公園内の奥の方にある

様なので、後日参拝してみました。

 

 

 

 

タキアンの木に宿る精霊とは

 

以前、アユタヤのお寺を参拝した時、

寺院内に木に宿るタキアンが

祀られている祠がありました。

 

ご一緒したタイの方に伺ったところ、

タキアンの木を切ったら、

中から女性がでてきたので

この木には女神が宿るという伝承があり、

タキアンの木があるお寺は、

タキアンの木を祀った祠がある

ところが多いという話を

聞いたことがあります。

 

タキアンという木に宿る精霊なので、

木霊ともいえるのですが、

私は、このタキアンの木の精霊について

本などで読んだことはありません。

 

ただ、調べてみると、ある研究によれば

「ナーン・タキアンは獰猛な精霊であり

 怒ると人間を食い殺すこともある。

 もし樹齢の長いタキアン木を

 伐採する必要がある時は、

 伐採者はナーン・タキアンの許しを得る

 儀式を行わなければならなかった。」

と書いてありました。

(ナーンはタイ語で、女性につける英語でいうところの

 Miss. です)

 

また、別の研究によれば、タイの大学生へ

若い女性のイメージがある精霊」を

たずねたところ、

400人中10%がこのタキアンを挙げ、

若い女性の精霊の性格のイメージ」には

60%位が、怖い、復讐心が強い、獰猛

などという怖いイメージがあることが

アンケート結果に見られました。

 

お寺で祠を見つけた時、

近くにいたタイ人女性の、

怖いから祠を参拝できないと言っている声を

聞きましたが、私自身はあまりその様な

印象を持つこともはなく、むしろ

それ以来、木が祀られていると

何の木が祀られているのか気にかけ、

近寄るようになりました。

 

アユタヤのワット・ナーンクイで

見たタキアンの木と、タキアンの女神の祠、

古いタキアンの木です。

 

 

公園内のタキアンの神社に向かう

 

ワット・ラーチャプラディットという

お寺から見えたタキアンの神社ですが、

サラーンロム公園の中にあります。

sites.google.comからお借りした地図に、

私が丸印をつけたところが

タキアン神社のある所です。

(photo by sites.google.com)

 

ラーチニー通りの方の門から

公園の中に入って行きます。

 

植物園の様に、緑多い中を歩いて行きます。

 

グラスハウスの前を通り過ぎます。

 

神社の入り口が見えて来ました。

 

神社の敷地に入ります。

 

 

タキアンの神社を参拝する

 

これが神社の建物です。

 

神社、祠どちらの呼び名がいいのか

考えましたが、3階建ての六角形の

大きな建物なので、

神社がふさわしいかと思います。

 

参拝できるのは、1階だけの様です。

 

中に入るとタキアンの木が

祀られているのですが、

たくさん布が巻かれていて

木自体がよく見えません。

 

角度を変えて撮りました。

 

願い事の信仰の対象にもなっているので、

願いが叶ったら、ドレスやネックレスなどの

お供えをする様です。

 

参拝を終えて外に出ると、

ワット・ラーチャプラディットが

後方にみえます。

近寄ってみたら、出入りできませんが、

壁1つのお隣で、通用門がありました。

 

お寺と神社、それぞれ入り口が全く違うところに

あるので、まさか繋がっているとは

思いもしませんでした。

 

少し離れてみると、私がこの神社を見つけた

寺院内の仏塔も見えます。

今回のカバー写真にしたのもここから見た

風景です。

 

参拝を終え、少し公園内を歩いてみます。

 

 

サラーンロム宮殿の歴史とサラーンロム公園

 

バンコクの王宮周辺は、王宮のみならず、

ラッタナコーシン朝の歴史などを

垣間見ることができる興味深いところが

いろいろあります。

 

その1つが、このサラーンロム公園です。

この公園の簡単な歴史ですが、

ここは、元はKingramaⅣが退位後の

お住まいとして建て始めた

宮殿の一部でした。

その宮殿とはサラーンロム宮殿です。

 

宮殿前にはkingramaⅣの像が祀られています。

 

KingramaⅣは、1866年に建て始めた

この宮殿の完成をご覧になる前にご逝去され、

KingramaⅤが即位されてからここは

王子たちの住まいとなり、後には、

王室の外国人ゲストを

迎えるところにもなりました。

 

別の角度から宮殿を撮りました。

 

ここを背にすると王宮内にある建物の1つ

スッタイサワンプラサート宮殿が見えます。

 

現在は、宮殿と公園の間にはお寺などがあり、

同じ敷地内にはありません。

 

 

サラーンロム公園を歩く

 

さて、再び公園にもどります。

この公園にはいくつかの見どころがありますが、

今回私が歩いたのは、次の丸印のところです。

北側半分になるでしょうか。

 

囲った〇印の中の右側、

あずまやの様な絵があるところです。

 

その下の白い塔の絵のある

ところがこちらです。

 

何のための碑なのか読んで驚きました。

 

1883年にKingramaⅤが

船の事故で亡くなった

スナンタクマリーラット王妃の

ために建てたものでした。

 

以前、ノンタブリー県の

お寺ワット・クーを訪れた時に

このスナンタクマリーラット王妃を

祀った祠を参拝したことがあり、

王妃の悲しい物語はずっと心に残っています。

www.yayoi-thainootera.net

 

その王妃の碑がこちらです。

 

合掌したら、再び緑を眺めていきます。

 

最後に公園の門からはもう遠くて実際には

見えませんが、タキアン神社と仏塔を

眺めて、今回の参拝は終了です。

 

 

<サーン・ジャウメータキアントーン>

 

タイ語名称  ศาลเจ้าแม่ตะเคียนทอง

         (Chao Mae Takhien Thong Shrine)

 

所在地  Between the intersection of

     New Road and

        Rajini Charoen Krung Road,

                   Khwaeng Phra Borom Maha Ratchawang,

                   Phra Nakhon, Bangkok 10200

                   Thailand

(今回のGoogle mapの表示は

    サラーンロム公園になります。)

 

 

今回の記事はサイト

rattanakosinislandguide.wordpress.com

および、書籍「Exploring Old Bangkok

その他研究論文などを引用、

参考にして書きました。

 

お読みいただきありがとうございました。

Luna(流転那)