タイと私と仏教と ~タイのお寺・神社・博物館から~

タイのお寺を通して広くタイ人の信仰を研究中

〖御座船に魅せられて③〗御座船は王宮前広場にあった!

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王宮前広場御座船展示会 

 サワディーカ。@yayoiです。

 この記事は2019年12月15日にメインブログ

『タイのお寺に魅せられて』にて公開した記事を

編集しこちらに転記しました。

  

前回のブログでは、パレードの船の並びに従って

御座船の護衛船の簡単な特徴や役割を

iconsiamにて公開されていた

王室御座船展示会「Art Afloat」の展示物に

使われていた船の模型を通して

まとめてみました。

 

今回はもう一つの展示、

王宮前広場で行われていた展示会場の様子を

ご紹介してみようと思います。

 

この展示は王宮前広場に

御座船の実物大と思われる船の大型模型が。

また、テントが張られた室内では、それぞれの

船の説明のパネルの展示やショーが

行われていました。

 

開催を知ったのは、インターネットで見た

Thaipostのニュースで、10/24~11/11の間、

展示があるということでした。

行ってみてびっくりなのは、規模が大きかったことと

政府と文化庁の主催ということで入場料も無料でした。

 

 

 

 

まずは、タマサート大学側から王宮前広場に入ります。

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右手側にワット・プラゲーウが見えます。

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少しずつ近寄って行くと芝生の上に御座船が!!

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[外ゾーン]御座船のご紹介!

 

前回のブログでは、

メインの御座船4隻にまで至らなかったので

今回は王宮前広場の外に展示してあった

御座船の大型模型の写真とともに

御座船を紹介してみようかと思います。

簡単な配置図を作ってみました。

この配置図をもとに御座船1から御座船4まで

順に写真と簡単な説明を書いていきます。

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御座船1

เรือพระที่นั่งนารายณ์ทรงสุบรรณ รัชการที่ ๙

The Royal Barge Narai Song Suban H.M. RamaⅨ

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船首はガルーダに乗るNarai(ナーラーイ神)。

Naraiとは、ヒンドゥー教ヴィシュヌ神のことで

Subanとは、ガルーダまたはガルーダの王のことです。

この船は、元は軍の、装飾をしつらえた船でしたが、

1996年のKingRamaⅨの戴冠式のために献上された

船だということで、1994年の儀式には

KingRamaⅨご夫妻が出席されたようです。

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御座船2

เรือพระที่นั่งสุพรรณหงส์

The Royal Barge Suphannahong

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船首は金色の白鳥。

Suphannahongとは、金色の白鳥ですが、

バラモンヒンドゥー教の経典に出てくる神様の

乗り物で、白は純粋で聖なる色。

白鳥、ハンサ鳥は穢れなき聖なる聖鳥を表します。

もとはKingRamaⅠの時に作られたものの代わりに

KingRamaⅤの終わりのころから作られ、KingRamaⅥの

時代の1911年に完成しました。

その年の11月に水に浮かべる儀式を行ったようです。

中央の陽ざしには玉座が置かれていて

国王がパレードでお乗りになる船です。

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御座船3

เรือพระที่นั่งอนันตนาครช

The Royal Barge Ananta Nakkharat

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Ananta Nakkharatとはナーガ、またはヘビの王様

を意味し、船首にはそれが置かれています。

ある伝説の中に、タイの国王は人間の世界に降りて来た

ヴィシュヌ神の化身だともいわれているのですが、

乳海(世界が原初の海におおわれていた時)では、

ヴィシュヌ神竜王アナンタ、つまりナーガやヘビの

王様の上でおやすみになっていたそうです。

ヴィシュヌ神の乗り物として一般的なのはガルーダですが、

確かに調べたら、アナンタも乗り物となっているようで、

ここからこの船の船首ができたのでしょうか...?

仏像または僧のための僧衣を安置するための

玉座がおかれています。

もとはKingRamaⅣの時に作られましたが、

現在のものはKingRamaⅥによって作られたもので

1914年に完成したもの。

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御座船4

เรือพระที่นั่งอเนกชาติภุชงต์

The Royal Barge  Anekkachatphuchong

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Anekkachatphuchongも

ナーガ、ヘビを表す言葉であり、ヒンドゥー教

経典や仏教では力や権力、知や豊かさを象徴する

ものでもあるようです。

船首には小さなナーガがたくさん彫られています。

KingRamaⅤの時代に作られました。

中央には陽ざしのある玉座があります。

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[ロビーとRoom3]テントとは思えない展示場!

 

外での御座船の写真を撮り終えてから

テントの中の展示をみました。

入口を撮りました。

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前面から見るとテントというより建物です。

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この入口から入ります。

私の配置図の ←入り口 部分です。

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入ると受付があり、ショーをみるかと聞かれたので

時間を聞いたらちょうど1時間後にあり、

30分後にもう1度受付に来るようにいわれました。

入り口正面のロビーも立派です。

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入口を入り、すぐ右手側が展示場です。

配置図のRoom3 の部分です。

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入って右側は御座船の説明を記したパネルなど。

先ほどの4隻の御座船の説明はここから引用しました。

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左手側は護衛船の説明を記したパネルなど。

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そして御座船と護衛船の模型が。これは人が手で押して

ショーに登場してくる模型です。

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ガラス窓から中がちょっと見えます。

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その横にはタッチパネル。

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画面をタッチするとスクリーンに説明がでます。

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1番奥には大型スクリーン。

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それを挟んで左右に船員のユニフォームと

楽器などの小物が展示されていました。

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また、中央部分には船に貼られている、

修復などに使われる材料など細かいものについて

スタッフがいて説明してくれます。

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このような展示をみていたら

あっという間にショーの時間がきてしまいました。

 

 

[Room2]先に見てしまったショーの裏方!

  

実はこのテントに入る時、

外で御座船の写真を撮っていた私は

うっかり間違えて裏口から入ってしまいました。

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そうしたらなんとショーの裏方さんがたくさん

船の模型を手で押していました!

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押している人にきいたら、入り口はいったん外にでて

まわるようにいわれたので、先ほどの入り口から

入ったのですが、ショーを観るより先に

裏方をみてしまいました。

 

おかげさまで一旦外に出て、入り口から受付を通り、

中に入りまずは無事に展示をみることができ、

その間に1度受付でショーを観るための

座席の予約に行きました。

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このようなカードが配られ、右下に座席番号が

書いてある座席指定のショーです。

通常はショーは夕方からで、団体があるときは

別枠のショーがあるらしく、私が行った日は

たまたま学生のためのショーに一般を入れて

くださった様で、ラッキーでした。

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学生さんに混ざってショータイムです。

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子供たちが、御座船がくる前のひと時、

タイや御座船や戴冠式などについて

いろいろ大人から話を聞くという形で

ショーが進行していきます。

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各地方のタイダンスも見ることができました。

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 そして、最後のハイライトは御座船パレードです。

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ショーが終わっても展示はまだまだ。

Room1へと続きます。

 

 

[Room1]国王の写真などの展示!

  

テントの入り口を入ると左手側は

細い通路になっていて、昔の御座船パレードの

写真などが飾られていました。

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そこを抜けると大きな部屋がありました。

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こちらは時間の都合上、さっと見ただけでしたが

戴冠式などの行事に関するパネルや写真が

並んでいました。

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広い空間でした。

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再びロビーにもどると次のショーのために

部屋に入ったのかロビーには人がいなくなり、

写真スポットとなっていた

船首部分の写真を撮ることができました。

 

上半身が鬼、下半身が鳥の魔神。

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ナーガをつかむガルーダ。

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  この後はもちろん、御座船パレードの本番です。

 

2020年のニューイヤーカードを買いに行ったら

御座船のカードもたくさん売っていたので

いろいろ購入してみました。

 

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ご訪問いただきありがとうございました。

@yayoi