タイと私と仏教と ~タイのお寺・神社・博物館から~

タイのお寺を通して広くタイ人の信仰を研究中

岩を踏みつけるカーリー神を祀ったお堂

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ウィハーン・プラメーカーリー チョンブリー 

 

サワディーカー。

@yayoiです。

 

バンコクから1時間半~2時間の位置にある

チョンブリー県には、人気の観光地パタヤ

はじめとする海だけでなく、小高い山もあり

海側にも山側にもお寺や神社が散在しています。

 

私は、パタヤの隣のジョムティエンビーチに行く際、

ちょっとした合間の時間をみてお寺や神社を

参拝します。

 

今回はジョムティエンビーチに行く途中の道路で

車の中からみかけた看板に、ウィハーン

(วิหาร 仏堂、お堂の意味)という文字が

見えたので、GoogleMapで看板が見えた辺りから

探していって見つけたお堂について

記事を書こうと思います。

 

車の中から見えた看板です。

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住宅地にいきなり現れる参拝処

  

その場所は、ウィハーン・プラメーカーリー

(วิหารพระแม่กาลี)という

ところです。

プラメーとは女神を意味します。

 

名前だけでは、お堂なのか祠なのか

どんなところかはわかりませんが、

行ってみたら、住宅地の一角にある、

一般の住宅の中に造られたような

参拝処でした。

 

この手前を左にはいります。

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住宅地を進むと…見えてきました。

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とりあえず入り口が広く開いているので、

中に入って行ってみることにしました。

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入口の向って左手側にはいろいろな

禁止マークが付いていて、

カメラも禁止になっていました。

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入って行くと、係りの方がいらしたので、

一般でも参拝していいか尋ねてみました。

 

また、写真を撮ってよいのかもたずねてみたら

すんなりと許可をくださいました。

 

入って行くと右手側にオフィスや

ヒンドゥー教の神様の像を

お借りできるところ(売っている)があり、

奥の白い建物が参拝の場となっています。

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まずは、ガネーシャを参拝

 

参拝の仕方がよくわからなかったのですが、

この赤い花とお線香をお供えして、

お堂の方に向かって手を合わせました。

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お堂の前には日ごろからよく参拝している

ガネーシャが祀られていたので、

ちょっと安心しました。

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横からガネーシャを眺めると

ガネーシャの乗り物であるねずみがいます。

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正面から見ると額のようなもののまえに

ガネーシャがいるようにみえますが、

この額のようなものは

後のお堂の壁に付いているヤントラです。

 

 

カーリーのお堂とヤントラ

  

ガネーシャの裏手のお堂に付いているものは

ヤントラと呼ばれるもので、

神様を表す、神様をかたどる ” 図形 ” です。

 

ヤントラが見えるように斜めから撮りました。

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ヒンドゥー教では、神様を像や絵で表現するだけでなく

図形や記号にも神様が宿るとして崇拝するそうです。

 

カーリーのヤントラの特徴は、

カーリーの象徴である黒い色と

中心にある逆三角形は女性原理を表すものが

描かれていることです。

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図形の前には、向って左側に

サラスヴァティー(日本では弁才天)。

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向かって右側にはラクシュミー

(日本では吉祥天)がいます。

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このお堂の全体の様子です。

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お堂の入り口です。

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カーリーを参拝

 

さて、こちらがこのお堂に祀られている

カーリーです。

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横から撮りました。

ちょうど後ろにある脚立と比べても

結構高さがあるのがわかります。

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後ろからみたカーリーです。

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そのまま一周して、逆側の横から撮りました。

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このカーリーとは、

ヒンドゥー教シヴァ神の妃で、

かなり特徴あるというかちょっとこわい

いで立ちをされています。

 

私が撮った写真を拡大して、特徴を

並べてみますと、まずこのカーリーは

岩を踏みつけています。

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ところが普通は、夫のシヴァ神を踏みつけている

姿で表されていることが多いのです。

下の写真は、私が博物館で撮ったものですが、

普通はこのようにシヴァ神を踏みつけています。

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そして、上半身にはたくさんの武器を持っています。

三又のほこや鎌、生首をもち、

生首のネックレスを首からさげ

顔は舌をだしているのが特徴です。

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どうして舌をだしているかというと、

魔神との戦いで勝利したカーリーは喜びのあまり

破壊のダンスを踊ったのですが、その力は

世界が滅びそうなほどだったため、

夫であるシヴァ神がカーリーの足元に

横たわり、夫を踏みつけたカーリーは

恥ずかしさのあまり思わず舌をだした

のだといいます。

 

こちらも、前に博物館で撮った写真です。

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ちなみに夫であるシヴァ神は、破壊を司る、

ヒンドゥー教最高神の一人です。

以前、参拝したヒンドゥー教寺院で

撮ったシヴァ神の大きな像です。

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庭園内にもたくさんの神々!

  

一般家屋の庭のようなところに

建てられたこのカーリーのお堂の周りは

庭園の様になっていて、

そこにも神様たちが祀られています。

 

お堂の横のカーリー。

信者の方々が洗い清め、ターメリック

塗っていました。

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ちょっとした休憩所の横にも

小さな神々。

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小ぶりでかわいいカーリーやガネーシャ

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シヴァ神のリンガ。

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ガネーシャの立像。

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まさにヒンドゥー教の神々の庭といった

ところです。

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ヒンドゥー教の神様は、結構人間臭さがあって

おもしろいのですが、このカーリーを祀っている

ところは、タイでもなかなか珍しいのではないかと

思います。

  

これで今回の参拝は終わりです。

 

 

<ウィハーン・プラメーカーリー>

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名称 ウィハーン・プラメーカーリー

   วิหารพระแม่กาลี

 

所在地 หมู่ที่ 4 วิหารพระแม่กาลี 1/39

    ซอย มินตรา อำเภอบางละมุง

    ชลบุรี 20150

    1/39 Mintra Alley,

    Bang Lamung District,

    Chon Buri 20150

 

 

今回の記事は、

書籍『いちばんわかりやすいインド神話』を

参考にしながら書きました。

 

お読みいただきありがとうございました。

@yayoi